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スペインカップは惜しくも準決勝敗退、負傷で戦線離脱

吉川智貴が所属するマグナ・グルペアは、3月9日から12日までプエルトジャーノで開催された
スペインカップに出場した。スペインカップはレギュラーシーズン1巡目の上位8チームがひとつ
の開催地に集まり行われるトーナメント戦だ。
4日間で準々決勝4試合、準決勝2試合、決勝1試合の7試合が行われる。

 マグナ・グルペアは準々決勝で、レギュラーシーズン1巡目1位のバルセロナと対戦し、2-2
のPK戦の末、勝利した。吉川はバルセロナ戦で攻守の要としてチームを勝利に導いた。
吉川は試合をこう振り返った。
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「前半は死にそうでした。大会のスケジュールが(決勝まで勝ち残った場合、4日間で3試合)が
タイトなので、チームとして大会前のトレーニングはあまり負荷のないメニューでした。ですが、
走る量が少なかったので、前半は体力的に苦しかったです。トレーニング以外に、自分でも
走っていたりしたのですが、それでも前半は特にきつかったですね」

 吉川は後半、効果的なプレーで、チームのパスワークを円滑にしていた。ポジショニングだ。
ディフェンスラインの間に生まれるスペースを活かす絶妙のポジショニングで、数的優位な
場面をつくっていた。
「前半から結構ディフェンス間のスペースが空いていたので、受けられるかなって思って狙っ
ていました。パラレラで抜けるよりも、いい状態でパスを受けられるので、後半はそこを狙って動いていました」

 マグナ・グルペアは2-2の同点の場面で、パワープレーを敢行する。準々決勝では40分で
同点の場合は、延長戦はなく、1チーム3人ずつのPK戦となる。マグナ・グルペアのイマノル監督
は、40分で勝利を狙いに行き、吉川はゴレイロのユニフォームを着て、パワープレーを先導した。

「監督はいつも言っています。相手がどこであろうが、勝ちに行く。だから同点ですが、パワープレー
を選択するのはいつもと同じです。スペインカップだからということではありません」

 パワープレーで白いユニフォームを着た吉川は、何度か左足で決定的なシュートを打った
が、得点は生まれなかった。同点のまま40分を迎え、そしてマグナ・グルペアはPK戦の末に
勝利した。優勝候補のバルセロナを破る波乱を大会初日に起こした。
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 マグナ・グルペアは準決勝で、エルポソ・ムルシアと対戦し、試合終了残り1秒で決勝点を
許し、1-2で敗れた。吉川は前半途中にスライディングした時に、右足をひねってしまい、
その後はコートに立てなかった。

「スライディングした時に、いつもとは違うなと思っていました。ひざで何か鳴ったような音が
聞こえて。ベンチに戻って、何度かステップを踏んでプレーできるのか、試しましたが、刺す
ような痛みがあり、走れませんでした」

 吉川は大会後、パンプローナに戻り、精密検査を受けた。結果は筋肉の損傷で、ひざ自体
は損傷していなかった。復帰までに4~6週間かかると診断された。重傷の可能性も少なから
ずあっただけに不幸中の幸いだった。

 吉川はエルポソ戦をこう振り返った。

「もしかしたら怪我がなく僕も続けて出ていることができれば、結果を変えられたのかもしれ
ない、と考えていました。試合は最後までこう着していましたし、もったいなかったです」

 マグナ・グルペアは大会前から負傷が多く、メンバーが少なかった。さらに準々決勝では
キャプテンのハビ・エチベリが負傷し、そして吉川も準決勝前半で負傷した。満身創痍で
あったが、準決勝では僅差で敗れた。それだけに吉川は「もし自分がいれば」と悔しさが口をつく。

 スペインカップは終わったが、プレーオフ進出を懸けたレギュラーシーズンは続く。5
月6日には国王杯決勝も控えている。まずは怪我を完治させる。そしてタイトルが懸かった
ゲームで、吉川が活躍することを期待したい。
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 ちなみにスペインカップは、吉川が名古屋オーシャンズで同僚だったポルトガル代表
リカルジーニョ擁するインテルが連覇を達成し、通算10度目優勝を果たした。

スペインカップ準々決勝
バルセロナ 2-2(PK1-2)マグナ・グルペア

スペインカップ準々決勝ハイライト
https://www.youtube.com/watch?v=Qy4kySskfP4

スペインカップ準決勝
エルポソ 2-1 マグナ・グルペア

スペインカップ準決勝ハイライト
https://www.youtube.com/watch?v=bii3p0IJpCw

写真提供■Club Deportivo Xota/xota.es